弘前、太宰治、ある老人、そして謎のベルギー人作家
そろそろ太宰治と再会する時だ。酒田で受け取ったメッセージは明らかだった。毎日、ホテルを出る時も戻る時も、作家は生きることに疲れたような悲しげな表情で私を見つめていた。書棚に立てられた日本語版『人間失格』の表紙は、私を放っておいてはくれなかった。新しい一章を書かなければならない。自国で「呪われた作家」とされた太宰と私との関係について、そして旅の途中で偶然出会った彼の同胞たちの心に、その作品が残した痕跡について。
Keep reading酒田、本間家、そして土門拳が物語る日本
新潟を発つときには多くの雲が空を覆っていたが、酒田に近づくにつれて散っていく。少しずつ日本海の上に空が開け、青い切れ間から強い光が差し込む。その光が、激しい白い波しぶきに打たれる黒い岩の、入り組んだ海岸線を照らしている。酒田は今年、東北での最初の立ち寄り先だ。東北は、本州という大きな島の北東部にある地域である。太宰治の土地、津軽へ着く前の立ち寄り先だ。
Keep reading新潟の米の真珠
日本で道に迷う方法はいくつもある。自分から迷うこともあれば、そうでないこともある。その中でもとりわけ奇妙なのは、この国の東と西がどこにあるのか、よく分からなくなってしまうことだ。地図を見れば、話は明らかなはずである。北は上、南は下、西は左、東は右。ところが日本では、事情が少し違う。私はそれを理解するまでに、かなり時間がかかった。方位図もコンパスも同じままだが、日本の東や西は、必ずしもこちらが思っている場所とは限らない。
Keep reading斜陽
私は、太宰治の小説の一つから、その題名を借りることにする。ある物語との偶然の出会いと、一つの欲望との重なりによって、この作家は私の次の日本旅行に形を与えてくれた。日を追うごとに目を覚ましていく声、「来なさい、戻ってきなさい、私は待っている」と私に語りかける声は、かすれ、ひび割れ、道徳が忌み嫌うあまりにも多くの禁じられたものの乱用によって壊れた声として姿を現した。それでも美はそこにある。残された言葉の流れに沿って、静かに流れている。
Keep reading日本の水のやわらかな調和
日本では、水はどこにでもある。山から下り、空から降り、土の中に身をひそめた水は、無数の泉を養っている。松本で出会った水、日本酒、神社、そして人々のやさしさから、日本という国の一つの顔を見つめる。
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